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2013年4月23日 (火)

【旨魚料理】オッペフライ

いわゆる『白身魚のフライ』って奴ですね。

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春になると現れる深場釣りの嫌われ者シマガツオです。

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別名エチオピア、昔この魚が大量に水揚げされ、市場に出るようになった時ににエチオピアの皇族が来日していた。この魚は釣り上げた直後は銀色に輝いているが、死ぬとすぐに真っ黒になってしまう。このことからエチオピア=黒人の国という連想で名づけられた。

別名オッペタンコ、東京湾相模湾の漁師はこの魚をそう呼んでいる。見た目通り横からつぶしたような平べったい魚体がその語源である。

この魚の名前を聞いて眉をしかめる釣り人は多いです。それはキンメダイ、アコウダイなどの深場釣りで邪魔をされるからなんです。

水深200~300mの中層に群れているので、途中で仕掛けを止められてしまい狙いの魚が居る底まで道具を下ろせないから。

なんとも不気味な黒銀色と、お世辞にも可愛いとは言えないご面相から食べるのを敬遠する人も多いのですが、結構ファンも多いんですよ。

何といっても引きが強い!!魚を釣ったと思わせてくれること間違いなしです。またクセの無い白身ですから、食べる方でも好きな人は多いと聞きます。

最近でこそ相模湾の佐島からしか乗合船が出ていませんが、昔(30年以上前)は東京湾の人気釣り物の一つでした。

浦安からも乗合船が出ていて数回乗った事があります。

当時船足も遅かったので2時間以上かけてポイントの洲崎沖へ。まだ電動リールなど普及していない頃でしたので、大型胴突きリールに道糸はテトロン糸。

仕掛けは太い胴突き3本バリにサバの短冊を付けて下ろします。

一応船長から深さの指示があるのですが、下ろしていくと必ず途中で道糸の出が止まり食いあげて来るんです。

だからタナを気にする必要はほとんどありませんでした。

そして必ず3本バリにパーフェクト!!

エッチラオッチラ手巻きで200m巻き上げる訳です。これはかなりの重労働です。

魚を取り込むと腕がぱんぱん...。3回も上げ下ろしをすればクーラーは一杯、もうこれ以上釣りたくないと横になってしまうほどでした。

だから釣っている時間は1~2時間が良いところ、当然早上がりでした。また2時間以上かけて港に帰る、そんな釣りでした。

思い出話はこの位にして...20年以上ぶりに食べてみることにしました。

シマガツオは皮が硬くウロコも取りにくい魚です。ウロコは取らずにまずは頭と内臓を取り除きます。

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そして下の図の黄色い点線のところを包丁の先で切れ込みを入れていきます。

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ペーパータオルなどで皮を持って、頭から尾の方に力を入れると皮を剥ぐことができます。

あとは三枚に下ろす要領で捌けば、薄桃色のきれいな身が柵取りできます。

この魚は比較的寄生虫が多いので、腹側の身は多めにそぎ落とした方が良いと思います。

敢えて危険を冒す必要はないでしょう。背側を食べていればリスクが低くなると思います。もちろん刺身でも食べられますが、火を通すメニューの方が無難ですね。

※寄生虫と言ってもカツオやスルメイカに多い米粒状のテンタクラリアが多いですが、アニサキスも報告されています。

柵にした身をペーパータオルとラップに包んで冷蔵庫で寝かせると、余分な水分を取り除くことができます。

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一晩置くとビックリする位水気を吸ってくれますが、味も良くなります。

血合い骨を避けて切り身を作ります。

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塩・コショウで下味を付けます。

今回はハーブソルトを使いましたが、ガーリックパウダーカレー粉も美味しいと思います。

あとは衣を付けてカラリを揚げましょう。

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お供はタルタルソース、我が家ではタマネギのみじん切り、ゆで卵のみじん切り、マヨネーズ、乾燥パセリ、マヨネーズ、塩、粗挽きコショウを混ぜ合わせます。

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シマガツオの味って?

と聞かれても答えが上手くできないかも...

個性的な味はありません、特徴がある訳でもありません。きれいなピンクがかった白身ですが、刺身で食べても一本調子な感じですね。

不味くはないけど特別美味しい訳でもない、そんな魚です。

でもフライやムニエルには向いた食材だと思いますよ。

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いわゆる「白身魚のムニエル」「白身魚のフライ」です。ソースなど味付けに凝るとレベルアップできる食材でしょうか。

この記事を読んで、食べず嫌いになることなく、是非一度はトライしてみてください。

自分の舌で評価をしてみてくださいね。

「この魚は美味しくない。」「エチオピアはいりません。」

と言っている人に限って、「実は食べたことないんです。」なんてことが多いのも事実です。

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コメント

フライにするととっても好きなお魚です。でも捌いた後の
生ごみが多い(笑)
また、いつの日かご近所で中深場の折は、お声かけください
一緒に釣りに行こうとは言いませんが(;^_^A
オッペ釣れていたら戴きに参上いたします(笑)

投稿: きよりん | 2013年4月23日 (火) 10時48分

食べるところの多い魚なら歓迎です(・∀・)ノ
シイラみたいなかんじですかね?
名前にカツオとつくけど、白身のお魚なんですねぇ

投稿: れれこ | 2013年4月23日 (火) 17時13分

中深場の釣りでよくオッペの名前は聞いていましたが、
食べた感想を聞いたのは初めてかも・・・
オッペに限らず色々な魚を自分の舌で確かめようと思いました

投稿: げん父 | 2013年4月23日 (火) 21時22分

シマガツオのバター焼きとかフライはうまかったと記憶しています。
機会があれば狙ってみたいですね(笑)
お魚について食わず嫌いの人が多いですよね。
料理しだいでまずい魚なんていないと思いますが。

投稿: マルソータ | 2013年4月23日 (火) 21時37分

まるかつさんへ
魚や海への造詣が凄いですね。オッペダンコですか、マナガツオみたいな風貌ですが、フライにした白身の旨さは想像出来ます。

それにしても、まるかつさんの釣りへの情熱も料理の知識やセンスなども失礼ながら只者じゃないですね(^^)

幅広くブログの世界に貢献出来してくれる筈なので宜しく!(^0^)

投稿: fu-goo-log | 2013年4月23日 (火) 23時51分

フライは、普通に美味しいフライですね。ただ自分で持って帰った事は無いんです(^_^)a
居酒屋で他のお客さんの持ち込みシマガツオを頂きました!

投稿: アッキー | 2013年4月24日 (水) 06時49分

きよりんさん>
わざわざ港に取りに来るくらいオッペ好きだからな~!!
確かに生ゴミ多いね、頭もでかいし、兜煮にはしたくないし...。
最近やっていないから、久しぶりに沖の瀬の中深場でも企画しようかな?高確率でオッペは来るでしょうね。
取りに来て、全部引き取ってよ!!

投稿: まるかつ | 2013年4月24日 (水) 08時35分

れれこさん>
可食部位は多いですよ、大物は50㎝を超えますし。
シイラみたいですが、シイラの方が旨みがあるかな?
名前にカツオって付くのは、平べったくてマナガツオに似ているため。あやかりタイ様なあやかりカツオです。

投稿: まるかつ | 2013年4月24日 (水) 08時38分

げん父さん>
食べてみたくなった?それとも...。
フライやムニエルにすると決して不味くはないですよ。特別美味しくもないけど、十分にオカズになります。子供たちなんて大好きかもしれません。
毒が無い限り、釣った魚は自分で確認するようにしています。(できるだけ最初は刺身で)
そうしないと自信を持って皆さんに紹介できませんからね。ネットの情報は結構怪しいものも多いですし。

投稿: まるかつ | 2013年4月24日 (水) 08時41分

マルソータさん>
近々長井辺りからX-4を使った中深場仕立てでもやりましょうか?
オッペは確実に混じると思いますよ。4人で仕立てはできると思いますので、のんびりといかがでしょう?
得意の養殖メニューにはぴったりだと思います。

投稿: まるかつ | 2013年4月24日 (水) 08時43分

fu-goo-logさん>
オッペダンゴ → ×
オッペタンコ → ○
平べったいのが語源、ペッタンコから来てると思います。
湾フグの外道には99.9%来ませんが、夏のタチウオには混じることがあるんですよ。
強烈な引きで釣り人を驚かし、水面でまたビックリさせられます。
>失礼ながら只者じゃないですね(^^)
ははは、普通のおっさん、リーマン釣り師ですよ。

投稿: まるかつ | 2013年4月24日 (水) 08時48分

アッキーさん>
相当な数を釣っているはずのアッキーさんも持ち帰った事はないんですね。何となく不気味な容貌ですし、食べてみようとはなかなか思いませんよね...。

投稿: まるかつ | 2013年4月24日 (水) 08時50分

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